習近平の中国経済 石原亨一

富強、効率、公正のトリレンマ 3つ同時に満たすことはできない

 

2013年、全面的改革深化というスローガンのもと、習近平李克強政権設立

 

国有企業のアイスキャンディー論:食べないでいると溶けてしまう。早く民営化するべき。。

 

ウイグル自治区

1970年代から高度成長を遂げる一方、ウイグル族独立運動東トルキスタン運動)が続いた。1955年には、民族自治区となった。2009年には、197人が死亡するウルムチ騒乱発生。

経済成長は、中国全体のGDPの伸びに匹敵する二けた成長を続けた。

1)中央国有企業による、石油、天然ガス採掘、非鉄金属、電力事業 (中国の天然ガスウイグル産出)
2)自治区政府の地方国有企業

3)ウイグル生産建設兵団(兵団)企業:政府、軍、企業が一体化された特殊企業

 

2014年の陸路シルクロード経済体構想(一帯一路)では、ウイグルは陸路の経済体の中心として位置づけられた。

対外開放政策に転じた1990年代後半以降、輸出は急拡大。ケチャップや綿織物が主要輸出製品

 

上記3)の兵団は、90%を漢族占め、第二次産業(食品加工、紡績、鉄鋼、石炭、建築材料)の発展に寄与。

兵団の人口はウイグルの12%程度。

兵団と、現地ウイグル族の所得格差も民族摩擦の要因の一つ。

兵団内でもウイグル人は下級労働者となるケースが多かった。

ウイグルの貧困問題:

漢族の雇用主が農民工を雇うとき最低限漢語がわかることを要求されるが、ウイグル族は、漢語ができないため就業や賃金面でのハンディキャップがある。

言語のほか、食習慣、宗教(イスラム)も異なるため沿岸部への出稼ぎ者もすくない

 

一方漢族のウイグルへの流入は拡大し40%を占める。

その漢族の、ウイグルでの農地請負面積が拡大し、当初は漢族経営者の親族を呼び寄せて労働させていたが、今はウイグル人を採用し綿花摘みの労働に従事させている。

 

本書では強制労働など人権問題への言及はない。